2019年3月

野球の監督はなぜユニフォームを着るのか。


石田英治



 今年から弁護士会の野球部(東京の3つの弁護士会の合同チーム)の監督をすることになりました。チームは2月中旬から練習を開始し、まだ対外試合はしていませんが、それでも思っていた以上に監督の仕事は楽しく、今年1年は没頭することになりそうです。
 ところで、私は小学校の頃から野球をしていますが、ある日、プロのサッカーの監督が試合でスーツを着ていたのを見て、驚いたことがあります。野球の監督はユニフォームを着ており、それが普通だと思っていたからです。しかし、スポーツの世界では野球が異端で、バスケットボールやラグビーその他多くの競技では監督はユニフォームを着ていません。
 インターネットで調べてみましたが、野球の監督がユニフォームを着ることについて明確な理由はないようです。野球のルールブック「公認野球規則」にも監督の服装は定められていないそうです。実際、メジャーリーグでは、かつてスーツ姿で監督をした人がいるようです。それにもかかわらず、監督がユニフォームを着ているのは、2つの理由があると言われています。
 1つは、かつて野球が誕生したころ、監督という役割はなく、チームの指揮は選手の中のキャプテンが執っており、その名残ということだそうです。
 もう1つは、サッカーやラグビー等の他の競技と異なり、監督がフィールドに入ることができるからということらしいです。監督が審判に抗議をするときやマウンドに行ってピッチャーに声をかけるときは確かにフィールドに入っています。
 しかし、後者についてはあまり説得的な理由ではないように思います。必然性はなさそうですし、仮にそうであればルール化されているように思えるからです。勝手な推測ですが、おそらく主たる理由は前者であり、何となくかつての名残で慣例化しているというのが実態のように思われます。ただ、いずれの理由でも、少々面白味に欠ける話であり、何か熱い理由があるのではないかと期待していた自分には肩透かしでした。
 もっとも、そうは言うものの、自分にとってはユニフォームを着るメリットはあります。
 第1に、土のグラウンドでノックをする際に汚れても気になりません。第2に、もしかすると「代打、俺」と言って試合に出ることがあるかもしれないという思いにさせてくれます。第3に、年を取ると服装に興味がなくなり、服を選ぶのも億劫になりますが、ユニフォームが決まっていれば面倒な思いをしないですむことになります。

 私の仕事は一人で作業をすることが多く、複数の弁護士が関与する事件でも物事は主に話し合いで決め、他の弁護士を上から指揮命令するということはあまりありません。そういう日常ですので、週に一度、仕事を忘れ、監督としてチームを指揮・統率し、選手と同じユニフォームを着て全員が一丸となって試合に臨むということに惹かれるのかもしれません。

以上



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