2019年1月

在日外国人弁護士あるある その3

ジェイムス・ダカティ



コラムの中身に悩んで事務局に相談してみたところ、過去の「在日米国人弁護士あるある」「在日米国人弁護士あるある その2」が意外に好評でした。弁護士としての「あるある」はだいたい話してしまったので、「弁護士」としての仕事の範疇ではなく、普段の生活の中の出来事ではありますが、同系統の「あるある」について書いてみましょう。

日本語で話しても、日本語として認識されない

これはつい先日、クリスマスイブにあったことですが、デパートの花屋でクリスマス用の花束のために花を選んでいるときに、店員さんに「何かお探しですか」と聞かれ、自分としてはもう少しゆっくり選びたいので「結構です」と答えたのに「If you need assistance…」などという風になぜかあらためて英語で問いかけられました。

こういう事象はまれに良くあります(頻繁に起こるわけではなく、一定の周期で起こるわけでもないが、起こるたびに「こういうことは前にもあったし将来も起こるのであろう」と考えるくらいには定期的に起こる、の意)。

その中でも、一番印象深かったのが名古屋駅の地下のきしめん屋に大学の友人3人と一緒に入ったときです。

お店の前のディスプレイをみて全員で「きしめんでいいよね」と決めたので、私が先頭になってきしめん屋に並んで入り、私は指を4本上げ、お店の方に「きしめん4つお願いします」とお願いしたところ、通じないのです。(えっ、今、何が言われたのかさっぱり分からない)という顔をされたので、私のすぐ後ろにいた日本人の友人が苦笑しながら、「きしめん4つお願いします」と繰り返すと、こちらは通じて、「ああ、はいはい」と言われて4人とも席に案内されました。

 ちょうど愛知万博の時期だったので、外国人のお客さんに英語で対応しなくてはいけないという意識が強かったときだったのかもしれませんし、それに加えて、まずは人数を確認して席に案内しようと思っているときに注文も一緒にされてしまったので戸惑ったことが重なったのかもしれませんが、きしめん屋で「きしめん4つお願いします」が通じないと、さすがにちょっと凹みました。

 さて、この問題は日本語を使う外国人には良くあることのようで、日本を広く旅したグロータス神父という方が、その著書で対応策を披露しています。どうやら、顔を見られる前に日本語で話しかけてしまえばこの現象は起こらないようで、同神父はお店に入る前に「ごめんください」と声をかけてから入ることを勧めています。「はーい」と返事したお店の人が同神父の顔を見ると少し驚いた顔をしますが、日本語が通じなかったことはないそうです。

「ごめんください」という声かけも今となっては風流なので、機会があればぜひ使ってみたいのですが、都心のお店だと、「ごめんください」といって入るのが似合うお店が少ないのが悩みどころです。



↑TOP